リス族（Lisu族）とは？

**リス族（Lisu）**は、シナ・チベット語族のチベット・ビルマ語派に属する少数民族で、中国南部（雲南省）、ミャンマー、タイ北部、ラオス、インド北東部（アルナーチャル・プラデーシュ州）などに広く分布しています。彼らは主に山岳地帯に居住し、伝統的な農耕生活を営んでいます。

1. リス族の基本情報

項目	内容
人口	約140万人（世界全体）、タイ国内では約5万人
言語	リス語（Lisu language）、シナ・チベット語族
居住地	中国（雲南省）、ミャンマー、タイ、ラオス、インド
宗教	伝統的アニミズム、仏教、キリスト教
主な生業	焼畑農業、狩猟、織物、伝統工芸

2. リス族の歴史と起源

リス族はもともと中国雲南省を中心に生活していましたが、歴史的に南下し、ミャンマーやタイ北部、ラオス、インドにも広がっていきました。
中国の歴史書によると、リス族はチベット系の民族で、はるか昔に遊牧民として移動していたとされています。
その後、雲南省の山岳地帯に定住し、焼畑農業を中心とした生活を送るようになりました。

19世紀から20世紀にかけて、リス族はタイ北部やミャンマーのシャン州などにも移住しました。
現在では、それぞれの国で異なる文化的影響を受けながら生活しています。

リス族（Lisu族）の伝統刺繍の意味

リス族の刺繍は、彼らの文化、信仰、生活様式を象徴する重要な要素であり、特に 魔除け、繁栄、家族の結束、自然との調和 を表しています。

リス族の衣装はカラフルで華やかであり、その刺繍には 幾何学模様や自然をモチーフにしたデザイン が多く用いられます。

「花リス族」や「黒リス族」では色の使い方が異なります。

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2. リス族の伝統刺繍の模様（6種類）

リス族の刺繍は、特定の模様が頻繁に使われ、それぞれに深い意味があります。

刺繍模様	意味	主な用途
ジグザグ模様（迷路模様）	魔除け、悪霊の侵入防止	子どもの衣装、帽子
菱形（ダイヤモンド形）	家族の結束、部族の象徴	既婚女性の衣装、儀式用の布
太陽・月のデザイン	宇宙のエネルギー、生活の安定	祭りの衣装、儀式用の帽子
鳥・鹿・蝶のモチーフ	祖先の守護、魂の自由	婚礼衣装、小物
稲穂や波模様	豊穣、農業の成功	収穫祭や祝い事の衣装
矢印模様（矢型ライン）	戦士の誇り、部族の団結	男性用の衣装、儀式用布

3. リス族の伝統刺繍の色の意味

リス族の刺繍では、特定の色が特別な意味を持っています。

色	意味
赤	生命力、魔除け、戦士の勇気
黒	強さ、大地とのつながり、安定
白	純潔、祖先の守護、神聖
青・紫	精霊とのつながり、平穏
緑	自然、健康、豊穣
黄色・金色	太陽、幸福、繁栄